2月13日という長くて短い1日(part2)

手術室に兄が入った後、私を含む残ったメンバーは元の談話エリアに戻る。結局、やる事は談話する事くらいしかない。要は待つだけなのだ。
手術を受ける兄にしてみれば、麻酔を受けてしまえばすぐに意識を失い、手術が終わるまで眠り続けるだけなので時間にしてみればほんの一刹那の出来事に過ぎないだろう。ただ、待つだけである私達にしても別に何か出来る訳ではない。ここは手術に関わる医師と看護師に任せるしかないのだ。

待っている間は、色々な話をしていた…と思うが、何を話していたのかは良く覚えていない。うろ覚えで思い出してみようとすると、一週前の大雪の話や、都知事選挙の話とかだった気がするが…。他愛のない話なんだろうけど話す事で時間を潰すしかない。
途中、コーヒーを飲んだり、清掃員の為に一時ソファーからテーブルに移動し、そしてまたソファーに戻り…。繰り返しの言葉になるようだが、待つしかないのだ。

待つ立場の私達は、別に大変という訳ではない。手術を受ける当本人の方が遥かに大変なのだ。そして、それ以上に大変なのが医師と看護師だ。手術が始まってしまえば、トイレ休憩も出来ないし、ずっと集中し続けなければいけない。当然ミスなんて絶対許されないし、100点満点な手術を行わなければならない。
医者という職業は、自分達が考えている以上に遥かに大変な仕事だと思う。いくら給料を貰っても割が合わない気がする。

そんな思いも交えながら会話をしていた午前11時頃、突然、手術前に預かっていたPHSの呼び出し音が鳴った。予想よりもずっと早い時間の呼び出しである。しかし、PHSを預かっていたウチのお袋は使い方が分からず、やっとの事で呼び出し音に答えた時は、既に通話が終了していた。
まさか、手術がもう終わったのか…。
慌てて手術室の前まで移動して状況を確認するも、特に大きな動きは無し。とりあえず、看護師に状況を聞いてみる事に。そして、その後看護師から発された言葉は…「間違い電話」。
何とも言えないため息をついた直後、補足するように看護師が言葉を追加して「手術は順調に進んでおり、12時前には終了する」との事。

「とりあえず、戻りますか…。」
誰が言った訳でも無いが、そんな言葉が脳を過るようにもとの談話エリアに戻り、再び他愛の無い会話の繰り返しとなった。当初から、「手術は3時間くらい掛かる。」という話を聞いていたので、さすがに早過ぎだな…とは思ってた。
慌てても仕方が無い。待つしかないのだ。
そして、そんな長い「無」の時間を終わらせる「2回目の呼び出し」が鳴ったのは、正午の10分前の事だった。


(以下続く)
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プロフィール

million cotton

Author:million cotton
静岡生まれの静岡育ち。で、今は横浜市民w

デジタル音楽とラーメンをこよなく愛する、典型的B型人間

時に無駄にストイックになります。
…が、基本ぐうたらです(爆)

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